今回は、作業ブログではなく、お電話でお問い合わせ頂く際によく言われる事について少しお話しをしたいと思います。
自分の車が修理が必要な状態になった時、みなさんはどうされますか?
- いつも行っている整備工場に行く
- ネットや情報誌で整備工場を調べて行く
- 知り合いに整備工場を紹介してもらう
- 自分で直す
大体このどれかだと思うんです。
その中で、今回はネットで坪田自動車を調べて、坪田自動車にお問い合わせ頂いた時のお話しとなります。
目次
〇〇を交換して欲しいんですけど、やってますか?
このお問い合わせ・・・良く頂きます。
結論から話すと、当社は自動車修理工場なので、大体の作業は社内で作業しています。
〇〇交換だけの作業はもちろん出来ます・・・が、本当にそれで車が修理出来るのかどうかは知りませんよ。
というお話しです。
部品交換はあくまで、『車を修理する一つの手段』でしかないわけです。
この車を修理するのに、〇〇の部品交換が必要と判断する。のが、私たちの仕事です。
〇〇を交換して欲しい。の依頼でも可能ですが、本当にその部品交換で修理が出来るのかどうかは私たちの責任では無くなってくるのです。
お問い合わせを頂くお客様は
〇〇を交換しなければいけない状態=〇〇に異常がある
わけで、その作業を依頼しようと思っていますよね。
車の修理って、〇〇が壊れている(っぽい)からといって、〇〇だけ交換すればオールオッケーってなわけでは無いんですよ。
〇〇が故障した原因が必ずあるわけで、その原因を解決しないと、もしかしたら修理の費用は無駄になる可能性があるわけです。
間違った判断をしたセルモーター交換の依頼
例えば・・・
- エンジンがかからなくなった。
- バッテリーを交換してもかからない
- ネットで調べたところ、どうやらセルモーターが原因ぽい
- 部品をネットで手配し、整備工場にセルモーター交換だけを依頼した
- 整備工場でセルモーターを交換しても、エンジンがかからなかった
- 結果として、スターターリレーの不具合だった
という事例があったとします。
これは私が体験した依頼では無いんですけどね。
この事例のポイントとしては
故障原因を特定しないで、ユーザーが勝手にセルモーターが原因だと決めつけた
事です。
整備工場に依頼する時に『セルモーターの交換』ではなく、『エンジンがかからない不具合の修理』の依頼であれば、無駄にセルモーターを交換する事は無かったはずです。
まあ、セルモーターを交換して無駄だったかと言われると、無駄ではないと思いますが、とりあえず今回の修理には関係無かったという話。
間違った判断をしたブーツ交換の結果は・・・
次に他の事例
- カー用品店でのオイル交換の時に、ロアーアームブーツ切れを指摘された
- 他の整備工場にロアーアームのブーツ交換を依頼
- ブーツのみ交換して貰った
- 翌月足回りから異音が発生
- 先月交換した箇所のロアーアームにガタがある事が発覚
- 先月ブーツ交換した箇所のロアーアームを交換する事になった
これは、結構前ですが実際に私が体験した出来事です。
私が作業したのは⑥だけなんですが、私の元に来るまでに他の整備工場で該当箇所のブーツ交換をしていると話を聞きました。
どうやら、クレームとして無償作業するかどうか揉めたそうです。
どういうお話で、ブーツ交換を受けたのかは他の工場の事なんでわかりませんが、車を見る限りかなり走行距離の多い車です。
走行距離から言っても、ガタの状態から言っても、私が見た時にはとてもブーツ交換だけで済むような状態ではありませんでした。
違う整備工場さんでのブーツ交換だったので、その時の状態はわからないんですが、お客様はその整備工場に『ブーツ交換』だけを依頼したそうです。
もしかしたら、その整備工場さんは『ブーツ交換だけじゃ済まないだろ・・・』とわかっていながら、お客様のご依頼は『ブーツ交換』だったので、言われた通り作業したのかもしれません。
もしかしたら、単に何も気にしないで作業した可能性もあるけど・・・。
ブーツはジョイントを保護する為のゴムカバーです。
ブーツが切れていると、ジョイントを保護できなくなるので、ゴミや水がジョイント内に侵入してしまいます。
すると、ジョイントの寿命は短くなり、結果としてガタつきが発生し、最終的にはもげてしまうわけです。
ブーツ交換自体は、車検整備で良く行われる作業であり、整備工場だと年がら年中作業しています。
しかし、車検の際にガタは無いか、ジョイントに錆は無いか、極端に走行距離が多くないか、年数が経過していないか等を考慮して
と判断してのブーツ交換になるわけです。
ブーツが切れてる=ブーツ交換でOK
という考えは車の整備において持ってはいけません。
当社はお電話での〇〇交換については二つ返事で『出来ますよ~』と安請け合いはしていません。
『作業は出来るけど、本当にそれでウンタラカンタラ』みたいな説明は必ずしています。
全ては、上記ある事例のような事が起きないようにです。
面倒臭い事言う車屋だな~と思う方もいると思います。
ですが、仕事として引き受けてお金を貰う以上は、いい加減な仕事の受け方をしたくは無いのです。
まとめ!
今回の記事のポイントは
〇〇だけの交換でも引き受けるが、本当にその部品交換が車にとって正しい修理方法かどうかの責任は持てない
という事です。
せっかく整備工場に依頼するのであれば、正しい修理方法を判断して整備工場に責任を持ってもらった方が良いんじゃないかなと私は思います。
ちなみに、何年もお付き合いしている常連さんは割と勝手に部品買ってきて持込で変えてくれーって来ますけど、常連さんの場合はお互いに信頼関係が築けているんです。
それでトラブルが起きても、常連さんは自己責任だってわかっているし、受ける時も毎回責任は持ちませんよ~って話してから受けてます。